自分のための日、その2。
よもぎBOOKS を出たら、目の前にある、まほろば珈琲さんに吸い込まれる。いつもお店のリトスタブレンドの焙煎をお願いしているけど、たまには違う豆をまほろばさんの抽出で飲みたいし、1人でゆっくり珈琲を飲むなんて意外とない贅沢な時間。まほろばさんなら確実に美味しいし。
で、入ってみたら今日は、まほろばさんお一人の日。オススメの豆を聞いたら、新作でこれはなかなか良いよとL・サルバトルをいただく。温かいうちはしっかりとした苦味と旨みと複雑なバランスが印象的で、少し緩くなると落ち着いたまろやかな美味しさがある。
2人きりで話すとついつい焙煎人と料理人として深い話になる。最近の珈琲豆流行りからくる農園流行りと昔ながらの農業形式の豆販売の利点と欠点、それを扱う焙煎人の技術と理論と感覚の関係、料理にも通づる技術力…要は腕とは何か、という話などサシで話す楽しさよ。10年以上前に、まほろばさんに玉子焼きを焼くところを見せて欲しいと言われ、お見せしたことがあったのだけど、「あれ以来僕もちょこちょこ練習して、だいぶ上手になったよ」と言ってくださるありがたさ。一番大事なのは火加減だね、100から98.96.…とちょうど良い火力を探って行って、ここかな、というところに来たよ、と、まさに核心をついたコメント。きっと珈琲の焙煎と通ずるとこあると思っている私。
腕を磨くには理論だけじゃなくて、やっぱり観察すること、毎回考えて調整すること、自分なりの答えを探し続けることだねと言い合う。そして珈琲も料理も「香り」が勘所を左右するという見解も一致。
尊敬できる大先輩が近くにいるって素敵なことだな。ありがたい。これからも精進するぞ!